2.耐震リノベーション(4)熊本地震をきっかけにわかってきたこと①

震度6を超えるような大きな地震の頻発により、全国的に耐震に対する意識が高まっているようです。2017年は大阪北部や北海道で大きな地震がありましたが、今回は2016年4月に発生した熊本地震をきっかけにわかってきたことを述べたいと思います。

 「現行の耐震基準の家も倒壊」業界誌、業界新聞等を通じて、このような記事を多く目にしました。震度7を2度も観測した熊本県益城町では新耐震基準に沿って建てられた住宅の被害も多く見られましたので、業界に衝撃が走ったのです。

 1981年以降に制定された耐震基準を新耐震基準と呼び、基礎や筋交いの接合部、壁のバランスに関する基準が告示されました。1981年以前の基準より、耐震性能が厳しくなっており、住宅業界では大半の事業者が「新耐震基準の住宅は地震が起きても大丈夫」と考えられてきました。しかしながら、熊本地震では新耐震基準の住宅も倒壊したケースが多く存在しました。

 建築基準法では「最低限の耐震基準を満たしている」というルールであり、熊本地震のように震度7が2回発生するような状況では建物が無被害というわけにはいかなかったのです。

 

2.耐震リノベーション(3)当社の耐震化リノベーション

当社の耐震化リノベーションは新築同様の耐震性能を実現します。耐震化するにあたって、壁、床、接合部、どれか一つを補強すれば安心というわけではありません。それぞれがバランスよく補強することが大切なのです。リフォーム・リノベーションの場合は現在の住宅のどこをどう補強するか綿密な調査を行います。不要な柱を取り払い、梁や新たな柱で大空間を作り出し、補強金物 で構造材同士の緊結を強化します。

 単に金具をつけるのではなく、木と木をつなぎ合わせて強くする、さらに金具をつけて補強するというのが当社の考えです。 構造上、筋かいが足りない場合は、面材(構造用合板)を施工して、補強します。重い屋根や壁の少ない1階なども不安要素のひとつです。瓦屋根を板金にする、大きな梁を足す、強度の高い壁にする、など一つひとつ 丁寧に問題解決することにより、新築同様の耐震性能を備えた住宅に生まれ変わります。

 近年、震度6以上の強い地震が頻発しています。しかも、発生可能性が低いと考えられていたエリアでも発生しているのが現状です。築年数が古い場合はもちろん、築35年以内でも、少しでも気になる方はまずは耐震診断をおすすめします。

(リノベーションを希望されていたとしても、地盤の弱い住宅の場合は地盤改良からできる、建て替えをお勧めしています)

2.耐震リノベーション (2)耐用年数

木造住宅の耐用年数は一概に何年と決められるものではありません。エリア、施工状態、維持管理の状況によっても大きく変わります。しかしながら、なぜか、住宅を新築してから30年経過すると、「建て直さなければ」と思っている方が多いのが現状です。耐震診断や耐震化リノベーションがなかなか普及・浸透しない一因でもあります。耐震診断が大きく改正された1981年から既に30年以上が経過し、これ以前に建てられた耐震性能が低い住宅に対して、「そもそも住宅の耐用年数は30年」と思い込んでいる人がわざわざコストをかけてまで耐震補強に取り組むはずもありません。  例えば、耐震診断により、1階床周辺に劣化があると判明した場合、劣化を意識した耐震化リノベーション、耐震改修を施せば、木造住宅を安全かつ長く使用することが可能になります。木造住宅の耐用年数は居住者が自分たちの生活設計の中で決めていけばよいのです。そして、私たちのような建築のプロが適切な耐震化を提案する役割を担っているのです。  私たちは、現状の強度とリノベーション後の強度を数値化して、提示しています(上部構造評点の提示)。建て替えるより、リノベーションで賢い住まいづくりをするために、まずは耐震診断をしていただくことをおすすめします。

2.耐震リノベーション (1)木造住宅の耐震設計の変遷

日本における建築の法律は、1919年の市街地建築物法が始まりです。市街地建築物法がスタートした4年後に関東大震災が発生しました。死者、行方不明者は10万人を超えて、この大震災をきっかけに1924年に法改正が実施されました。この法改正では住宅に筋交いを入れるよう規定されました。しかし、この時の法律では数量までは規定されませんでした。1950年には建築基準法が制定されて、壁の強さの基準が示されました。1971年には十勝沖地震が発生し、その地震をきっかけに、木造建物の基礎もコンクリート布基礎にすることが決定し、1974年にはツーバイフォー工法について告示されました。さらに1981年、この建築基準法が大幅に改正されて、必要壁倍率が改正、壁量計算も義務化されました。以後に建てられた木造住宅の耐震性能は大きく向上しました。

 ここまでの説明でおわかりのように、1981年より前に立てられた住宅が要注意です。この時代は設計者や施工業者の技術、知識、モラルに依存して建設されているため、接合部はじめ、構造に大きな問題が残っていると考えられます。当社では、これらの築古物件にお住まいの方で地震が心配というご相談に対して、耐震化リノベーションを強くお勧めしています。また、建物の強度を診断する耐震診断も受け付けていますので、お気軽にご相談ください

1.断熱リノベーション (5)窓とガラスの断熱性能

住まいの断熱性能を向上させる上で窓はとても大切な箇所になります(夏、窓から入り込む熱の割合は全体の7割あります。一方、冬に窓から逃げ出す熱の割合は全体の5割あると言われています)。窓の断熱性能は使用するガラスの種類とサッシの材質によって大きく上下します。普及が進むペアガラスですが、サッシ部分の高性能化はまだまだ発展途上で、諸外国に比べて日本はかなり遅れているのが現状です。

 築古の住宅に多く見られる1枚だけのガラスと複層ガラス(ペアガラス)を比較しますと、複層ガラスは1枚だけのガラスに比べて、約半分程度まで熱を伝えにくくすると考えられています。また、同じ複層ガラスでも中空層の6ミリと12ミリを比べると、12ミリのほうが熱を伝えにくいです。さらに同じ複層ガラスでも、LowーEガラス(低放射の複層ガラス)という商品があり、ガラスの裏面に特殊な金属膜があり、その膜が太陽熱の半分程度までカットするため、非常に高い断熱性能を発揮します。ちなみに、一般的なグラスウールを施した外壁に比べて、窓(ペアガラス)は約5倍熱量が入ってくると言われています。そのため近年は普通のアルミサッシではなく、樹脂を材料として作られた樹脂サッシが普及し、着実に断熱性能が向上されつつあります。

 ぜひ窓、ガラスも慎重に選びながら、断熱リノベーションに取り組みましょう。

1.断熱リノベーション (4)断熱材の種類②

グラスウール等の繊維系は断熱材は水、湿気に弱いと言われており、湿気が侵入すると、カビの原因になります。一方で、扱いやすい形状のため、施工が容易で、コストも抑えられるため、建築用断熱材としては最も広く使われています。しかし、単にグラスウールを施せば、断熱材が持つ性能を発揮するかというと、そうとは限りません。グラスウールの施工の仕方によっては、隙間ができ、本来の効果が期待できないこともあります。国もグラスウールの正しい施工法の普及に努めていますが、まだまだ発展途上のようです(当社ではグラスウールを使う際は、断熱材の施工経験、知識が豊富な施工スタッフが担当しますのでご安心ください)。

 発泡プラスチック系断熱材(主にボード状の断熱材)は、水にも強く、湿気を容易に侵入させませんが、価格は繊維系に比べて、やや高く、限定された用途で取り入られることが多いです。

 また、新聞古紙を使ったセルロースファイバー等自然系素材の断熱材もあり、調湿効果やより高い防音効果が期待できます。当社もセルロースファイバーを推奨しており、詳しく知りたいという方は当社スタッフにご相談ください。

1.断熱リノベーション (4)断熱材の種類①

断熱リノベーションにより、夏涼しく、冬暖かくなる大きな理由の一つに、断熱材があります。なぜ断熱材にそのような効果があるかというと、断熱材の中に含まれる小さな空気層の存在があります。その空気層の大きさが大きいほど断熱の性能は低下しますし、逆に細かくなればなるほど、断熱の性能は向上します。
 そして、断熱材にもいくつかの種類があります。断熱材は大きく分けて、グラスウール等に代表される繊維系断熱材、ボード状の断熱材等発泡プラスチック系断熱材、さらに木片を原料にして作られる木質系断熱材等があります。
①グラスウール
 繊維が束ねられた中に閉じ込められた微細な空気層が熱を逃がさないために断熱効果を発揮します。そして、同じグラスウールでも高機能グラスウールという断熱材があり、より高い断熱性能を発揮します。
②発泡プラスチック系の断熱材(ボード状)
 製造時に作られる気泡が熱を逃がさないため高い断熱効果をもっています。
 上記のように断熱材にはいくつかの種類があり、その断熱材によって、メリット、デメリットがありますので、じっくり比較検討しましょう。

1.断熱リノベーション (3)ヒートショック現象

 「ヒートショック」とは高齢者などが冬期に暖かい浴室から寒い脱衣場に移動した際、または、寒い脱衣場から暖かい湯船につかった際など、急激な温度変化によって脳梗塞や心筋梗塞などになることを言います。高齢化社会の到来とともにヒートショック死は年々増え続け、近年は年間17000人以上と、交通事故死の4倍以上となっています。

 住宅の省エネ化・断熱化リノベーションは、このようなヒートショック現象を予防する効果が期待できます。熱の伝導が少なく、気密性が優れた省エネ住宅では、外気温の影響を最小限に抑えることができるので、建物の温度変化や、部屋と部屋の温度差(温度ムラ)が小さくなり、ヒートショック現象の予防につながるのです。

 冬期の浴室での死亡率は、断熱先進エリアと言われる北海道は、沖縄に次いで少なく、実は栃木県(全国1位)や茨城県(全国2位)といった比較的温暖と思われる地域での発生率が高くなっています。

 「このあたりは温暖だから大丈夫」と安易に考えないで、断熱化リノベーションで健康に優しい空間づくりを実現していただきたいと思います。

1.断熱リノベーション (2)省エネ基準強化

省エネ基準の改正にともなって、住宅の仕様基準は着実に向上しています。
たとえば、熱損失の係数の基準値は「旧省エネ基準(1980年)」、「新省エネ基準(1992年)」、「次世代省エネ基準(1999年)」と3度にわたる改正によって、基準を引き上げられていきました。
 そうした省エネ基準の改正によって、住宅に施される断熱材の性能も向上しています。外壁や天井などに使うグラスウールは厚みを増し、開口部は断熱性能の高いアルミ二重サッシや複層ガラス、トリプルガラス等も登場しています。
 このように断熱対策が進んだことで、無断熱の住宅と比べて、「旧省エネ基準(1980年)」の住宅は3割アップ、「新省エネ基準(1992年)の住宅は6割アップと、それぞれ省エネ性能が向上しています。これは年間の暖房費に換算すると約8万円のコスト減に相当すると言われています。
 現在、1980年より前に建てられた無断熱の家が全体のうち4割存在するそうです。前述のような光熱費の削減を考慮すれば、省エネ化、断熱化リノベーションにかかる初期コストはトータルで見ると、20年ほどで元が取れてしまう可能性があります。コストは工事費だけでなく、ランニングコストを含めて考えることが大切です。

1.断熱リノベーション (1)省エネ化リノベーション・断熱化リノベーション

真夏に西から差し込む日射を受ける部屋が暑くなり、「朝までエアコンをONにしたまま過ごしています」という声をよく耳にします。これは、住宅の屋根や外壁に蓄積された熱が夜間室内に放出し続けるからと言われています。
 また、真冬に、リビングが寒くて「エアコン(ストーブ)なしでは過ごせない」という声も多いです。これは、リビングを取り込む外壁、屋根、天井、窓などから熱が逃げていきために、室内の冷気が保てない状況が原因です。
 一方、省エネ化リノベーション、断熱化リノベーションされた住宅では、外壁、屋根、天井、窓などの部位を断熱化、気密化して、熱の侵入を防いだり、熱の損失を抑制したりすることで、快適な空間、かつ、使うエネルギーが少なく済む状態になっています。
 「省エネ性能が高い」「断熱性能が高い」「気密性能が高い」ということはエアコンなどの冷暖房を使わなくても、または、エアコン1台で全館が快適になり、同時にエネルギー消費量の削減につながるということです。
「夏は暑い」「冬は寒くてつらい」というお悩みをお持ちの方はぜひ、省エネ化リノベーション、断熱化リノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。

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